大江山連峰(森林浴の森100選)

大江山は、千丈ヶ嶽(832m)を主峰とする鍋塚、鳩ヶ峰、赤石ヶ岳からなる連峰です。山頂からは若狭湾、丹後半島をはじめ、空気の澄んだ天気の良い日には氷ノ山や白山、愛宕山なども望むことができます。また、大江山を含む地域は、2007年に丹後天橋立大江山国定公園として指定されました。この山には、酒呑童子、麻呂子親王、日子坐王の3つの鬼退治伝説があり、これらの伝説にまつわる伝承の地が数多く残されています。

鬼嶽稲荷神社

大江山の八合目に位置します。以前はもっと山頂近くに、御嶽大明神遥拝所の跡と伝えるところがあったといわれ、地元の人々は御嶽として厚く信仰してきました。当地方の高山、そして霊峰、水源の山として「御嶽」と呼ばれていた大江山が「鬼嶽」となった時期は、大江山の鬼伝説が広く流布した江戸時代中期以降だったと考えられます。弘化5年(1848)に京都の伏見稲荷からの勧請により鬼嶽稲荷となり産業の神として広く信仰を受けています。

鬼嶽稲荷神社からの雲海

稲荷神社一帯のブナの原生林の素晴らしさ、そして紅葉と雲海は絶景で、多くの人を引きつけます。雲海写真のスポットとしてシーズンには多くのカメラマンが集まります。正面(西側)の三角形の山が岩戸山です。さらにその向こうには元伊勢内宮皇大神社があります。そしてその一直線上には京都や伊勢が位置します。

千丈ヶ滝

遠く谷間に、折れ曲がって白い糸を引いたように見えます。千丈ヶ原から急傾斜の岩肌を屈曲して数十m流れ落ちる。滝というより、切り立った急崖という感じで、水量の少ないときは、岩肌を流れ落ちていますが、水かさが増したときは勇壮そのものです。

日本の鬼の交流博物館

「むかし丹波の大江山、鬼ども多くこもりいて」と歌われた大江山は3つの鬼退治伝説を伝える鬼の山です。平成5年、この鬼伝説の大江山のふもとに全国で初めての鬼専門の博物館が誕生しました。大江山の鬼・日本の鬼・世界の鬼・鬼瓦など、たくさんの資料を収集展示しています。また、鬼のネットワーク拠点として、鬼の研究家や興味のある方々の交流の場として、世界鬼学会の事務局を持ち、情報交換・発信基地になっています。

平成の大鬼

「世界一の鬼瓦を作ろう」を合言葉に全国の瓦の産地に呼びかけ製作を手掛けました。鬼瓦を130のパーツに分割し、日本各地の名工が各地の土を使い、各地の焼成技法を用いて製作し、大江山の麓で一つに積み上げるという手法をとり入れ、各地の鬼師の心と技が一つに結集し完成したものです。基礎部の高さ1.5m、鬼瓦の高さ5m、総重量約10t。

鬼のモニュメント

平成2年の大江山鬼伝説一千年祭に併せて建設した大江山のシンボルの鬼像です。高さ3mの酒呑童子像を中心に茨城童子像・星熊童子像の三体が5mの台座の上に立っています。うち酒呑童子像は力強く都の方向を指差しています。作者はテレビなどで有名なウルトラマンのデザイナー、成田亨さんです。

旧宮津街道

「歴史の道100選」のひとつ。宮津藩主の参勤交替路として利用されました。今でも当時の石畳が一部残っていますが、きれいに整備されているところは平成の石畳です。また、周辺には大きな岩塊が一面に広がる「ごうら」と呼ばれる岩塊流があり「京都の自然200選」にも指定されています。一帯には鬼伝説にかかわる旧跡もあります。

鬼飛岩と鬼の足跡、頼光の腰掛岩、岩塊流(ごうら)

鬼飛岩は昔、鬼の見張り場所であるといわれ、急を知らせるため、対岸へ飛び降りたときにできたのが「鬼の足跡」と伝えられています。その隣にある巨岩が「頼光の腰掛岩」で鬼退治をした頼光が腰を掛けたとされる岩です。そして、この周辺から二瀬川渓流には鬼伝説にふさわしい「ごうら」と呼ばれる巨大な岩塊が転がり、まるで岩の海のように一面に広がっています。そのような景観は「岩海」として天然記念物になっているところもあります。

二瀬川渓流と新童子橋(吊り橋)

二瀬川渓流は大江山からの豊かな恵みを讃え、奇岩と清流が織りなす風景は有数の美しさです。春はヤマツツジやヒュウガミヅキ、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色と四季折々に楽しめます。新童子橋は旧宮津街道とその対岸を結ぶ吊り橋。長さ77m、川面からの高さ22m。木製の吊り橋としては日本有数です。景勝二瀬川をまたいでいるため、紅葉の季節には上空から二瀬川の紅葉を見ようと大勢の観光客が訪れます。

美多良志荒神

新童子橋の旧宮津街道沿いの少し上にある。麻呂子親王は途中、神の化身である老翁から頭に鏡をつけた2匹の白犬を授かった。姿を隠す妖術を持つ鬼たちに苦戦したが、白犬が鏡で照らすと鬼の姿が現れ鬼どもを退治できたと伝えられています。美多良志は「御照し」からきているとも言われています。

毛原の棚田

毛原地区には標高100~200mにかけて等高線状に広がる約600枚の棚田があり、「日本の棚田100選」にも選定され、美しい景観を見ることができます。春と秋には棚田体感ツアーを実施し田植えや稲刈り等が楽しめます。